三月ははるかなる茫洋

愛猫にテーブルの上に積まれた本をすべてなぎはらわれ、よりにもよって『蜜蜂と遠雷』のカバーが破れてしまったが、もうそれはわたしが悪いに決まっているので、やるせない気持ちをぐっとのみこむ。本に吐かれたりスピンを食われたりもするけれど、悪いのはぜんぶわたしだからさ……。

『ラ・ラ・ランド』と『ナイスガイズ!』で勝手にゴズリング二本立て。さほど好きなタイプの顔ではないのだが、なんというか技術力が高くて我の薄い演技がハマる。

 アンソニー・ドーアの『すべての見えない光』、はじめのほうはなんか小川洋子みたいだなあとかぼんやり読んでたけど、ラストの息が詰まるような展開が素晴らしい。ぜったいに一緒に幸せになることはできないふたりの束の間の出会いがほんとうに美しく、電車の中でこらえきれずぐずぐずと泣きながら読んだ。Twitter文学賞もとったようで、わたしももうすこし早く読んでいればこれに投票したとおもう。

すこしずつ春めいてきていて、ようやくダウンコートを脱げるのはうれしいが、冬から春にかけては心身ともに調子が悪くなるので気が重い。

すべての見えない光 (新潮クレスト・ブックス)

すべての見えない光 (新潮クレスト・ブックス)