週間読書日記

単身で暮らす中年ゆえに去年と今年の区別もつかぬようなのっぺりとした日々だが、冷蔵庫の野菜室を開けてみればえのきが驚くほど成長していたりはするのであった。元気だ。それはそうと、食材の高騰激しい昨今、頼みの綱のきのこ類すら値上がりしており、138円のしめじをスルーせざるをえないのが現状である。これって終わるんですかね、もしくは気にせず買えるくらいに税負担が減る未来はあるのかな?選挙には欠かさず行ったり、官邸にご意見を送ったり、しかるべきところに寄付をしたり、変化を促す本を積極的に売ったりしているけれど、日々目にするニュースからはそういうことがぜんぶ無視されているような気がして、ものすごく無力感がある。聞く力ってなんなんですか?

今週読んだ本。『なれのはて』は、今までの著作にあったある種身近なテーマから一歩踏み出した勇気をたたえたいし、小説を技術も確かなものがあり、少なくとも直木賞の候補にはあがるだろうという力作。大団円的な物語の落とし方に甘さがあるかもしれないが、作者の現実に対する希望と見たい。ユン・ゴウン『夜間旅行者』は、サスペンス・SF・文学というジャンルのボーダーを泳ぐような作品でたいへん好みであった。でもこれはポケミスよりSFラインで出したほうがよかったと思う。