週間読書日記

単身で暮らす中年ゆえに去年と今年の区別もつかぬようなのっぺりとした日々だが、冷蔵庫の野菜室を開けてみればえのきが驚くほど成長していたりはするのであった。元気だ。それはそうと、食材の高騰激しい昨今、頼みの綱のきのこ類すら値上がりしており、138円のしめじをスルーせざるをえないのが現状である。これって終わるんですかね、もしくは気にせず買えるくらいに税負担が減る未来はあるのかな?選挙には欠かさず行ったり、官邸にご意見を送ったり、しかるべきところに寄付をしたり、変化を促す本を積極的に売ったりしているけれど、日々目にするニュースからはそういうことがぜんぶ無視されているような気がして、ものすごく無力感がある。聞く力ってなんなんですか?

今週読んだ本。『なれのはて』は、今までの著作にあったある種身近なテーマから一歩踏み出した勇気をたたえたいし、小説を技術も確かなものがあり、少なくとも直木賞の候補にはあがるだろうという力作。大団円的な物語の落とし方に甘さがあるかもしれないが、作者の現実に対する希望と見たい。ユン・ゴウン『夜間旅行者』は、サスペンス・SF・文学というジャンルのボーダーを泳ぐような作品でたいへん好みであった。でもこれはポケミスよりSFラインで出したほうがよかったと思う。

 

週間読書日記

気温が下がってきたので、羽毛布団、敷きパッド、こたつ、あったかい部屋着下着靴下ルームシューズ、と着々と冬支度をする。もう少し寒くなったらマイクロファイバーの毛布を足そうかな。猫は羽毛布団を出したそばからもぐりこみ、夜も人間にがっちりくっついて寝ている。猫用のホットカーペットも出さなければ。あと加湿器と小型の暖房器具が欲しい。冬とは関係ないけど壊れたきり買い直していない電気ケトルも欲しい。なければないで鍋で湯を沸かせばいいだけなんだけど、電気ケトルの速さはやはり魅力なんだよな。

スタッフが一人発熱したため、休日が1日飛ぶ。すぐ代休をとれたからいいが、月曜日から土曜日までの出勤は、木曜日に明確に燃料が足りなくなってくることがわかった。世間の月金のお仕事の人は毎週こんな感じなのか、土日の休みでしっかり充電できているから大丈夫なのか、連休のないシフトに慣れているからわからない。

今週読んだ本。というわけで今週はほぼ読書できず。しっかり働くためにほぼ睡眠に全振り、ポケモンスリープの評価はSをもらえたが、どうしてもこのような生活で生きるということの意味には思いを馳せざるをえない一週間であった。『砂漠の林檎』はおもしろく読んだ。今このタイミングで読むことの意義もあったと思う。世界に対して私にはほとんど何もできることがないけれど、知ろうとすることは数少ないできることのうちの一つだ。

 

週間読書日記

友人に誘われて羊の丸焼きを食べる会に参加。中東の料理は野菜がメインだが、スパイスが効いているおかげなのか物足りなさがない。最後の羊とバスマティライスまで、お腹がはち切れそうになるまで食べた。最後に店の人がチラシを渡してきたので、お店の案内か何かかな、と思って店を出て見てみたら、mRNAワクチンの危険性がうんたらというやつだったので爆笑してしまった。

今週読んだ本。相変わらずインドが舞台のミステリーを読んでいる。続きはまだ出ないのかな。大江健三郎は、今までほぼ読んでこなかったのだが、チャレンジしてみてもよいのではという気分になっているので、ひとまずごく最近出たエッセイを読んでみた。次は短編かな。長嶋有のほうは一時期までは好きでぜんぶ読んでいたのに、ここ数年日本の新しい小説にあまり気が向かず手にとっていなかった。ポッドキャストがおもしろくて聞いているし新刊も出たことだし久しぶりに、と思って読んでみたらやはりとても良かった。遡って未読の本を買わなければ。ファン・ジョンウンの『百の影』もたいへん良くて、積んでいる『年年歳歳』もはやく読みたい。あと今は、イスラエル関係の本をぽつぽつと読んでいる。『砂漠の教室』もそのひとつ。読みたい本がたくさんたくさんあって、うれしい気持ち。

 

10月の生活と読書

金木犀の香りがわからぬ無粋な人間を卒業できたのは、四十を過ぎてからである。秋口にみなが言う、金木犀だ、がぜんぜんピンとこず、わたしだけ鼻が悪いのだろうかと思っていたのだが、金木犀の花を見たらそれとわかるようになってから香りもわかるようになった。しかし花なしであの匂いだけやってきてもわからぬ気がするから、素敵人間への道のりはまだまだ遠い。

会議のための報告書作り。毎度思うが、成果のアピールが下手くそで、これといって何もやってないんですけど……、とか言ってしまいがちなのだが、実際のところ自分ができることはやっているのだし、結果売上は上がっているのでアピールしないと純粋に損なのである。しかし天然アピール人間みたいな人を見てしまうと、自分にはできない……とすぐしおしおになる。ともあれ会議に出席、ほぼ座っているだけだったが、今回もそれってどうなのと思う発言(太ったんじゃない?とか、女の子なんだからきちんとして、みたいなの)を耳にしてげんなり。自分に対して言われているわけではないので(社内の人と仲良くないから言われない)、気にしすぎることもないのかもしれないが、聞くだけでも嫌なんだよなぁ……。

繁忙期へ向けて先に有休消化。特に予定もなくただ家で猫をねちねちとかまいつつ読書。

10月に読んだ本残り。『ハイファに戻って/太陽の男たち』は、ガザの現状を思うに読んでいて非常に辛い気持ちになるが、素晴らしい小説であるし、文学が果たすべき役割のひとつの到達点であるように思う。このような小説が翻訳され、そして文庫で読めるようになっていることに感謝したい。

 

週間読書日記

花粉と寒暖差でアレルギーが出てしまい、目がかゆくて仕方がない。どうにも辛いので、久しぶりにレスタミンを購入。蕁麻疹が出やすかったときにも服んでいたのだが、かゆみに効く代償として暴力的な眠気に襲われる。なので、8時間以上睡眠時間が確保できる夜にしか使用できない。それ以下だと体を起こすのもメリメリ音がしそうなほどしんどくなる。レスタミンを検索するとODがサジェストされるし、睡眠導入剤として使っている人もいるらしいが(だめだよ)、わたしはただかゆいのを止めたい、それだけなんだ。

 

今週読んだ本。インドを舞台にしたミステリーがおもしろい。『帝国の亡霊、そして殺人』がとても良かったので買ってみた『カルカッタの殺人』もおもしろかった。続きもあるようで楽しみ。斎藤真理子『本の栞にぶら下がる』も大変良い本だった。内容に関してはもう何も言うことはないのだが、スピンがついていたらなお素晴らしかったのになと思う。

 

週間読書日記

10月は有給休暇を積極的に使っていく予定。一年のうち休みがとれそうなときってほんとうに限られている上に、イレギュラーなことがあるとすぐ飛ぶ。小売業の宿命だ。

お酒はほどほどに、できる日はお弁当を作る、なるべく本を読む、朝起きて天気が良ければ散歩をする、というのが最近の習慣にしたいこと。心身ともに健やかであることが、一人で自由に生きるためには必須なので。あとは勉強の習慣がつけられれば言うことないのだけれど、まあまあゆっくりやっていくことにしよう。

今週読んだ本。『ピュウ』は不思議な感触の小説であり、非常にアメリカ的でもあった。『こびとが打ち上げた小さなボール』、社会問題を織り込みつつもそれだけではない、読みやすいと同時に読み解き甲斐のありそうな多層的な小説であり、韓国ではロングセラーであるというのもうなずける。

 

9月の読書と生活

忙しさを理由にすぐサボる、わたしの罪は怠惰以外にはありえない。あと傲慢もかな。9月も暑かったね。

繁忙期と棚卸を乗り切って一息、しかし8連勤の疲れを癒すのにずいぶん時間がかかった。

京極夏彦の新刊が出てよろこびいさんで購入。あの分厚いノベルスを手にしただけで、10代の頃のわくわくした気持ちを思い出せるんだから、やっぱり本はモノで読んで持っていたいと思う。ところで前回の邪魅はどこで買ったんだっけなと考えたら、今いる店でアルバイトしてたときにそこで社割で買ったということになり、17年というのはアルバイトが店長になるくらいの時間なのである。詠嘆。

9月は家計簿をつけた。半年に1回くらい気が向いたら1ヶ月だけアプリで家計簿をつけている。食費より書籍購入費が高く、交際費はゼロというどうかと思うようなお金の使い方をしていることが目に見えてげんなりする。

 

9月に読んだ本は以下のとおり。ペレス警部のシリーズを一気読みしたり(早川書房から出た『哀惜』がとても良くて、同著者のものを!と思ったら邦訳はぜんぶすぐ手に入るのである、こういうところが東京創元社の好きなところ)、韓国文学を読んだりしていた。10月は減酒して読書に励みたい。