2023年7月発売の気になる新刊

自分自身の備忘録も兼ねて。

禍

Amazon

一昨年『残月記』で9年ぶりに戻ってきた小田雅久仁の新刊。プルーフ拝読しましたが、ぞわぞわするような角川ホラー文庫みのある短編集でした。しかしこの表紙すごく気持ち悪くていいですね。7月12日頃発売。

 

手練の直木賞作家、米澤穂信初の警察ミステリとなれば、買い一択でしょう。新シリーズとのことなので、キャラクターものとしても期待が高まります。アクの強い警部が主人公だといいな……。7月25日頃発売。

 

今もっとも勢いのある韓国文学から、ミステリーの翻訳が出ます。妻と娘を殺された男が、未解決のまま15年たった事件の犯人をおびき出すために古書店をひらく、ということで、ビブリオミステリーでもあるのか、それともバイオレンスな復讐劇になるのか、たのしみです。7月12日頃発売。

 

貴志祐介はやっぱりホラーだよな、と思わせてくれた『秋雨物語』の続編、なのかしら。『秋雨物語』はほんのりミステリーテイストはあるものの、理に落ちそうで落ちないところが怖くてよかったので、こちらもビビりながら読みたいです。7月14日頃発売。

 

U-NEXTの中短編叢書の新刊。津村記久子らしいどこかとぼけた雰囲気もありつつ、選挙って変だよな、という最近のもやもやも受け止めてくれる小説でした。短くてすぐ読める、手軽なかたちなのでぜひ読んでほしい。

 

老人ホームに暮らす老人たちが事件にぐいぐい首を突っ込み解決していく木曜殺人クラブ、早くも3作目の翻訳が出る!木曜殺人クラブの面々が非常にキャラが立っていて読んでいてとても楽しいのですが、同時に老いと近づく死の影が味わいを増していて、好きなシリーズです。7月4日頃発売。

 

前2作で事件を解決したはいいものの、自身も心に傷を負ったピップ。不安定なままのピップの周囲に不審なことが起こり始め……。途中から、やめてピップ!止めてラヴィ!とやきもきしどおし。衝撃度は3作の中ではずば抜けているでしょう。こんなことが許されるのか……。7月14日頃発売。

 

本国では300刷を超えるロングセラー、日本でも2016年に翻訳が出た韓国文学が文庫に。昨年出た翻訳者の斎藤真理子さんの『韓国文学の中心にあるもの』を最近読んだのと、お気に入りのポッドキャストで紹介されていたのでちょうど読みたいと思っていたところでした。ありがとう河出書房新社。7月6日頃発売。

 

ノーベル賞受賞作家サラマーゴ、傑作『白の闇』の4年後の世界を描いた作品ということでこれは絶対買います。7月24日頃発売。

 

『もう死んでいる十二人の女たちと』が素晴らしかったパク・ソルメの邦訳新刊。斎藤真理子さんは働きすぎでは。ありがたいけど、無理しないで長く翻訳を続けてほしいです。一読者からの望み。6月30日頃発売。