週間読書日記

アルバイト採用、万引き発生、棚卸しの準備、ビルの雨漏りの事後対応、スタッフのコロナ陽性連絡などでばたついた一週間。月曜日を最後に休みもなく来週火曜日まで走り切らなければならぬ。まあこの時期はそういうものなので別に、という感じだがそれはそれとしてたいへん疲れている。もちろん本は一冊も読みきれず、キム・ボヨン『どれほど似ているか』を少しずつ読んでいる。韓国のSFに限らず現代の小説全般に、次世代へ希望を持たせなければならないという責任を感じて、いまはそちらに共感するわたしである。やはり斎藤真理子『韓国文学の中心にあるもの』は都度参照すべき1冊。

疲れた。

週間読書日記

小説を読むとはいったい何なのか、数十年読みつづけているが、自分の中で何が起こっているのか言葉にできない。文章を読んで情景や人物を立ち上げストーリーラインを追っていく読書は、わたしにとっては食べたり歩いたりするのと同じくらい日常的に意識sすらせずできることなのだが、それがなぜできるのか、できないということ自体が想像するのも難しい、一体これは何なんだろう……。

あまりの暑さにしばらくやめていた散歩を再開。今年の夏はとりわけ暑い気がする。

しばらく見ていなかったNetflixで海外ドラマを一気見。サブスク管理できないタイプなので、見たいコンテンツがあるとき加入、見終わったら退会、みたいなことができる人ほんとうにすごいなと思う。

 

今週読んだ本

禍

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週間読書日記

火曜日、津原泰水の新刊のプルーフが送られてきて小躍り。しかしこれが最後なのだと思うとただ悲しい。早番の日だが翌日遅番なので自由時間が増えた錯覚をして酒をのみすぎる。焼酎のソーダ割がうまい。これは何、プレーンサワーなのかな。

水曜日、出勤まで川上弘美の新刊のプルーフを読む。近年頓に出版社はプルーフを書店員に送るようになっており、わたしの手元にも頼んだり頼まなかったりしたものがけっこうたくさんあるのだが、自分の好きな本をほしいままに買うタイプなので、気がつくともう発売になってるじゃん!ということが頻繁に発生して反省。なので優先順位を高めて鋭意読書中。

お盆休み明けで客足は悪くないが商品の入荷が少なかったので、気になっていたノンフィクションの棚を整理。古いトピックの非稼働在庫を返品してかなりすっきりした。

兄が勤務先の店に来た。何かおすすめは、というのでいくつかミステリーを見繕う。家族仲がかなり疎遠なので、まともに話すのは平均すると数年に一度くらいなのだが、久しぶりに見た兄は髑髏の指輪をしており、何気ないふりで本の話をしながら内心驚きで視線は釘づけであった。しかし帰ってから(本は買ってくれた)、思い返してみたところ、昔からややヤンキー的なセンスの持ち主であったような気もする。兄弟は他人だ。

日曜日は、安ワインをのみながら翻訳ミステリーを読み、昼寝をしてのんびり過ごす。ペレス警部のシリーズおもしろい。自分に合うミステリーのシリーズをできるだけたくさん見つけておくのは、くじけずに生きていくためにとても大切なことのひとつである。

アメリカン・マスターピース 準古典篇』を読んで衝撃を受けたので、古典篇を即注文。短編集でありながら読後に残るものの重みがすごい。マスターピースの名に恥じない傑作揃い、翻訳の素晴らしさももちろんあるでしょう、柴田先生ありがとう。

 

今週読んだ本

 

 

週間読書日記

セブンイレブンビリヤニカシミールカレーを交互に食べている。うまい。

代休で週中2日を休みにする。シフト勤務は予定が立てにくいのが難だが、プライベートの人間関係が少なく、あまり外出するタイプでもないし行きたいなら一人でも行く薄暗い人間には平日休めるので全然OKである。今回は珍しく友人たちとの飲み会。しこたま日本酒を飲み、翌日は当然のように二日酔い。

最近はミステリーにばかり手がのびて、経験上こういうときは精神的に疲れている。読書にも夏バテがあるのだ。のたのたしながらジャンル小説を読んでいると、そのうちフルボリュームの文学が欲しくなるときがくる。

 

今週読んだ本

週間読書日記

月曜日、普段は日曜日が休みのことが多いのだが、月末繁忙日は日曜日に出勤し、月曜日に代休をとることも多い。今週はこのあと次の日曜日まで休みはないので、英気を養うため家から一歩も出ずにゴリゴリと読書する。『可燃物』と『言語の本質』を午前中に読みきったところで電池切れ。数時間昼寝。

火曜日から土曜日まで、研修(講師役)を含み働く。研修後飲みにいったりしてぐったりしたまま日曜日。ほぼベッドの上で過ごす。休みの日にスーパーに行くことさえ面倒になってしまった。夏がつらい。

 

今週読んだ本

 

2023年7月発売の気になる新刊

自分自身の備忘録も兼ねて。

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一昨年『残月記』で9年ぶりに戻ってきた小田雅久仁の新刊。プルーフ拝読しましたが、ぞわぞわするような角川ホラー文庫みのある短編集でした。しかしこの表紙すごく気持ち悪くていいですね。7月12日頃発売。

 

手練の直木賞作家、米澤穂信初の警察ミステリとなれば、買い一択でしょう。新シリーズとのことなので、キャラクターものとしても期待が高まります。アクの強い警部が主人公だといいな……。7月25日頃発売。

 

今もっとも勢いのある韓国文学から、ミステリーの翻訳が出ます。妻と娘を殺された男が、未解決のまま15年たった事件の犯人をおびき出すために古書店をひらく、ということで、ビブリオミステリーでもあるのか、それともバイオレンスな復讐劇になるのか、たのしみです。7月12日頃発売。

 

貴志祐介はやっぱりホラーだよな、と思わせてくれた『秋雨物語』の続編、なのかしら。『秋雨物語』はほんのりミステリーテイストはあるものの、理に落ちそうで落ちないところが怖くてよかったので、こちらもビビりながら読みたいです。7月14日頃発売。

 

U-NEXTの中短編叢書の新刊。津村記久子らしいどこかとぼけた雰囲気もありつつ、選挙って変だよな、という最近のもやもやも受け止めてくれる小説でした。短くてすぐ読める、手軽なかたちなのでぜひ読んでほしい。

 

老人ホームに暮らす老人たちが事件にぐいぐい首を突っ込み解決していく木曜殺人クラブ、早くも3作目の翻訳が出る!木曜殺人クラブの面々が非常にキャラが立っていて読んでいてとても楽しいのですが、同時に老いと近づく死の影が味わいを増していて、好きなシリーズです。7月4日頃発売。

 

前2作で事件を解決したはいいものの、自身も心に傷を負ったピップ。不安定なままのピップの周囲に不審なことが起こり始め……。途中から、やめてピップ!止めてラヴィ!とやきもきしどおし。衝撃度は3作の中ではずば抜けているでしょう。こんなことが許されるのか……。7月14日頃発売。

 

本国では300刷を超えるロングセラー、日本でも2016年に翻訳が出た韓国文学が文庫に。昨年出た翻訳者の斎藤真理子さんの『韓国文学の中心にあるもの』を最近読んだのと、お気に入りのポッドキャストで紹介されていたのでちょうど読みたいと思っていたところでした。ありがとう河出書房新社。7月6日頃発売。

 

ノーベル賞受賞作家サラマーゴ、傑作『白の闇』の4年後の世界を描いた作品ということでこれは絶対買います。7月24日頃発売。

 

『もう死んでいる十二人の女たちと』が素晴らしかったパク・ソルメの邦訳新刊。斎藤真理子さんは働きすぎでは。ありがたいけど、無理しないで長く翻訳を続けてほしいです。一読者からの望み。6月30日頃発売。